012-1






付近の駅
1991
常磐線
千代田線
金町
京成線
柴又

2006
京成金町線
柴又
京成バス
54
古録天神
出身地

性別

年齢
40代
家族構成
大人1人
子供2人
居住

付近の家並
1991
木造切り妻造
木造寄棟造

2002
鉄筋造共同住宅
鉄骨造共同住宅
木造寄棟造
木造切妻造
付近の河川
中川
江戸川

1991 付近の総合病院
東京慈恵会医科大学附属青戸病院

2005
付近の病院
東立病院
東京慈恵会医科大学附属青戸病院
高砂協立病院
吉田機司病院
亀有病院
金町中央病院
高山整形外科病院
嬉泉病院
第一病院
亀有中央病院

住居
葛飾区柴又3丁目

GPS
N35°45′18″
E139°52′24″


居住環境
1991  この付近の風情は30年前の東京の下町か、地方都市の町外れの様相を呈している。
 トタン瓦棒葺きの平屋の家が多く在り、下町の風情を甦らせている。  東京の青い空は二つの顔がある。活気に満ちた町の空と寒々とした仕舞屋の多い町の空である。  道路は整備され街路樹が整然と植えられている。だが、街を走る車は商用車やトラックが多い。
 それは活気というよりも、ぎりぎりの生活に追われた生活を感じさせる。
 何よりも、行き交う人々の表情に遊び心は感じられない。豊かさとは遊び心を失わない事なのかも知れない。  この街は日々の暮らしに追われ、ゆとりから取り残された街といった風情である。

2002
 街並や交通事情は1950年代や1960年代のままである。それだけに青空が広がっている。調査撮影時はともに昼間であったが寂寞とした思いがあった。
 その周囲の街並の静けさは 柴又帝釈天付近の限定された賑わいと対照的である。
 夜間の情景はどのようなものであろうか。通過する車の騒音だけが響いているのであろうか。

2007
 参議院選を間近に控えた3月、経済格差とか所得格差とかが云々されている。
 ただ、そうした背景に大土地所有が都市計画に及ぼしている影響を考察すべきであろう。土地利用は生産構造の基盤であり実体経済の要である。
 国土利用計画の実効性は土地所有の規模に拠ってどのような影響を受けているか。
 こうした情報は重ね広く一般大衆に周知すべきである。街並の形成は人々の営みの結果である。しかし、土地所有の形態と規模に規定されていることを知らせるべきである。
 このことは行政の限界を露呈するなどと断じてはならないだろう。むしろ、一般大衆に限界を知らせることにより人にやさしい街並をつくる一助となるだろう。
医療環境
1991  総合病院は京成金町線柴又駅を越えて2KM以内の距離にある。
 交通手段は柴又駅から京成高砂駅を経て青戸駅から徒歩で往く経路がある。  家族構成から考察すると、彼女が長期入院する事態が発生した場合には、親戚縁者もしくは福祉関係者のサービスを受ける事にしか無いであろう。
 これ以外の方法で家族の構成員の健康維持をすることは困難であろう。  こうした場合、患者が総合病院を選択できる機会は少なくなるのが日本の現状であろう。
 日本の法は行政の福祉サービスが受給者の権利であるとされている。
 しかし、福祉は受給者の権利ではなく、供給者からの恩恵と誤解されることもある。
 多分、天皇制を象徴する「恩賜」という言葉と関連していると思われる。  アンケートにおいて、彼女は家の近くのスーパーストアで夕食の買い物をするとの回答を寄せている。
 アンケートの内容を総合的に判断すると、思想的経済的にも地域に密着した生活を送っている常民である。
 常民がこの地域で患者が治療に専念できる体制を造るために、病院や医院の配置の増加が必要である。また、その営業保証をする診療報酬体制が必要である。  一般的に、仕舞屋の多い町は寂しい佇まいである。この付近もそうした例に漏れず閑散としている。
 車の往来は多いがバス等の路線は少ない。従って、夜間の一人歩きは物騒である。
 彼女が病院を訪問して帰宅する時はタクシー等を利用する事になるであろう。

2002
 前回の写真撮影時期は、1991年の準備から始まり、1994年であった。
 2002年までの7年間では状況の変化がほとんど無い。交通の不便さは相変わらずである。

2007
 柴又帝釈天といえば映画のフーテンの寅さんが有名であるが、医療環境は緊急時に救急隊を頼るしか無い。
 入院後の家族社会関係に及ぼす影響は交通事情により大きなものがある。本来、病人とその家族は他の社会関係により支えられるべきものである。
 はたして、寅さんと周囲の人々の善意だけに頼っているばかりで良いのだろうか。医療環境に配慮した総合的な街づくりが必要なのではないだろうか。